久しぶりに買い物に出かけて、レモン柄のミモレ丈スカートに出会った。
それはそれはさわやかで華やかで。
試着してみると、自分が格上げされたようなそんな気持ちにさせてくれる。
数年に一度、本当に奇跡的に出会うお気に入りの服。
一目惚れで、セールを待つことなくその場で購入を決めた。
子どもの頃は優柔不断の化身で、洋服どころか、お土産もスーパーのお菓子も決められず、急かされて選んだ後も、あっちがよかったのでは…こっちがよかったのでは…とうじうじと後悔していた。
即決できる下の兄弟たちが羨ましく、いつも自分の決断に自信が持てなかった。
特に、服選びは最悪だった。
だから、思えば思春期は、ありきたりの誰も突っ込む余地のないような服ばかり選んでいた気がする。
足のラインの見えない太めのジーンズ。
メンズライクなパーカー。
ありきたりな黒のカーディガン。
地味すぎで、逆に浮いていたような気がするけれど。
歳を重ねた今思うと、なんともったい。
でも、そんな鬱々とした青春時代を過ごして、たくさん失敗しながらも自分で決めることを繰り返した今、ファッションは楽しい。
人がなんと言おうと、自分が好きなものに包まれた時の背筋が伸びる感じ。
出会えた喜び。
自分のために服を選べるようになって、それでいいと思えるようになったことだけでも、私は大人になってよかったなぁと思う。
2021/6/20